外観
大館市立病院の隣に建つ調剤薬局です。今回は、設計事務所のベスコムデザインさんが設計し、私たちは建築一式工事という形で参加させてもらいました。
写真は看板取付前の状態です。ファザードの縦格子の素材は、大館市の秋田ウッドで製品化している商品です。木の廃材とリサイクル樹脂とを混合させて作られています。
3寸勾配の片流し屋根が印象的な建物です。屋根面は雪が落ちないSS(スノーストッパー)ルーフを使っています。
待合室
建主の方は、お客さんがリラックスしながら薬を待っていられるようなお店にしたいという考えを持たれていたので、待合スペースには木材の仕上げをふんだんに使っています。腰板には杉の羽目板を貼り、受付の独立柱は大空間に負けないよう、直径240mm(8寸)の杉丸柱を採用しました。
上部は木組みをそのまま見せています。梁と束の他に通し貫が水平に走っていて、古民家風の吹き抜けに仕上がっています。天井は船底型になっていて、ここにも仕上に杉板を使用しました。
2階から見るとこんな感じです。真ん中の天井扇は、夏と冬で空気の循環を逆回転し、快適性を高める用に工夫しています。勾配天井の形も空気の流れを生み出し、循環のメカニズムに一役買っています。
カウンター
カウンターにはプライバシーに配慮した衝立が設けられています。
商品の陳列棚も製作しました。同じ形のものが3つ並んでいます。
手洗いコーナー
手洗いコーナーは待合と連続し、気軽に使えます。陶器の洗面ボウルがはまるように板を加工して製作しました。
トイレ
トイレの扉は幅広の吊り引戸です。幅1.2m、奥行き2mとなっていて、介護者も一緒に楽に入れるスペースがあります。
受付
従業員側の受付スペースです。カウンターの下は造り付けの棚になっています。中から電源や屋内LAN配線が取り出せて便利です。
調剤室
事務スペースと調剤室との間はモノの受け渡しなどで連携しやすいように一部開放してます。調剤室は法律上、鍵付の建具などで仕切られていなければならず、大きく開放できるシャッターを取り付けています。
事務スペース
完成後、事務スペースに後から製作した書類棚です。中段には用紙が取り出しやすいようにシンプルな引き出し板を設けています。
調剤室
調剤室です。事務スペース前のシャッターを開けている状態です。反対側にも机を製作しています。
薬品庫
調剤室の中にある大きな薬品庫です。使い勝手を考えた棚が備えられています。